富士へ家出('11.11.25-11.26)その2
2011.11.25 (金)/ 1日目(2)
20:30頃、目的地の富士駅に到着。
さむい。
商店街は閉まっているか、開いてても飲み屋かえっちな店ばかり。
17分程歩いて、宿に到着。
家族経営の雑然とした、旅館と民宿の中間みたいな宿。
Wi-Fi飛んでないが、持参のWi-MAXは大丈夫。
口コミ通り、部屋に長年しみついたタバコの臭いが、すごい。
でも、それも旅情の一つと思えなくもない。
空腹で、出来れば、ご当地飯が食べたい。
宿のあるじに伝えると、おすすめの店への地図を書いてくれた。
とぼとぼと7〜8分歩くと、その店に着いた。
……ええー?これ飲み屋じゃん。
私ゃ下戸なんだけどぉ。
不安を感じつつガラリと戸を開ける。
常連客群、一斉に刺すような視線を向ける。
うわー。うわー。もう。うわー。
でも、店主のおかみも、常連さん達も、意外と親切。
わたしが旅人と知ると、次々と質問が飛んできた。
コミュ障だけど、全く見知らぬ人なら大丈夫。
そんな気質をフル稼働させ、会話を交わす。
常連客のおじさんが、「名古屋式」と勧めるので、富士宮焼きそばに白飯混ぜて食べる。
んー、不味くはない。
けど、うまくもないなー。
「おねえさん、あんたイイ女だねー」
どこをどう見てもイイ女風情ではない私(髪バッサバサだし)に話しかける、ひとりの男性。
寂しそうだからヤレると思われてるのかな?
スリルを感じ、腋の下がひやりとする。
「願望は思い続けると具現化しますねー」
「自分の気持ちが宇宙に反映するし」
うっかりそういう返しをした途端、その人、ハッとした顔になる。
「そう!!その通り。そういう話、あの連中(常連仲間)にはずっと出来なくて…」
「えー?おねえさん、宇宙の法則完全に理解してる!どうして?神の使いなの?」
……なんだこのパターン。
近所の某信教夫妻の定食屋で以前、
「長年店やってるけど今までそんな返し方をしたのはあんたが初めてだ!」
「宇宙をわかってる!あんた、神様だ!」
等と、あれよあれよと持ち上げられ、
飲食代を大幅に負けてもらった事あるけど。
あの時と、ムード、完全に同じ。
「これ、電話番号!」
「また富士に来る事あったら連絡して、DVDあげるし食事おごるから!」
どうやらその男性に、同士認定された模様。
気づけば、閉店時間をとっくにすぎ、客は私一人になっていた。
常連と打ち解けた事に気を良くしてか、おかみ、
「みかん、宿で食べて」
「飴も食べて」
と、袋いっぱいにあれこれくれた。
23時半頃、宿に戻るとオーナー、
「どうです?美味しかったでしょ?」
と、得心の面持ちで尋ねてきた。
ホントは美味しくもなかったが、頷く。
階段上がって自室に入り、入浴。
先ほどの出来事をツイッターでつぶやいていたら、もう4時に。
……おっかしいなあ。
安らぎを求めて、知らない街に来た筈なのに、なんでこうなるかねえ?